PS 100pieces 81-90☆81しゅうしゅうと 憤怒の煙が洩れ出でる 伏したるこの身を冷ます 月あかり 夜もすがら あなたはともに あったのか まだ ともにあゆみゆくのか 「ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる」2010.12.19 ☆82 恋しても恋しても あさ起きて 夜は眠るの 涙しても涙しても ひとみ調え 今を活きるの やがて 夢にもみなくなる その日まで 「思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり」2010.12.25 ☆83 何処に行こうと いつもわたしがいて その私の傍には ぴたりとあなたがいる 何れ逃れられぬ 足続くまま 進まねばならぬ 創りて歩むか 辿りて踏み広げるか 彼方への道 「世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる」2011.01.01 ☆84 何のためったら なんのため? 生きているのは なんのため? 何のためったら なんのため? 長生きしたいのは なんのため? 幸せになりたいのは なんのため? 辛くっても生きたいのは なんのため? 「ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ いまは恋しき」2011.01.08 ☆85 こっちへおいでの 声に惹かれて 騒々とざわめく 波間に踏み出し ひたりと触る夜の冷たさに ああ私がいると 知ってしまったからには 「夜もすがら もの思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり」2011.01.16 ☆86 啼く僕 あるのみの月 みるきみ 視線を散らすぼく 粛々と熱狂に浸れば 慣れて 肌身と変わらぬものを 未だ 時はあるのみ 永遠に満ちはしないの 「なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな」2011.01.23 ☆87 「むらさめの 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ」 ☆88 こんなとこにいるなんて おもってなーかった どこまでどこまでゆけるんだろう なんて ゆーらゆら ながれていたかっただけなのに さあ なよなよとすくいとられ いきふきかけられ あつさつめたさにころがされ こんなところにいるなんて 「難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき」2011.01.30 ☆89 知りたくはないの このままでいたいの 伝えたくはないの ただここにいたいの なのに いまにも音に変わろうとせき上がる ならば息の根 ふくらみにふくらませ はじけて散るなら 「玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする」2011.02.06 ☆90 まだ端然と していられるのね あの あたりをはらう風に 慄きもせず すでに肩口まで 濡れそぼっているのは わかっているのだよ ただ 布目を通す その色が 見えないの 織目ひとつも 解けはしないのだから 「見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず」2011.02.12 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|